カフェグッズの原点

カフェグッズの歴史は、とある商品との出会いから始まりました。

それは北欧スウェーデンの、世界的なディスポーザブルテーブルウェアメーカーである DUNI 社の製品でした。
その商品が Duni Combi Cup (デュニ・コンビカップ)です。
1993年に Duni 社のカタログで見たこの商品から、私は目が離せなくなりました。
それは北欧デザインの確かな表現であり、そのスタイルが機能美の結晶に思えたのです。
同時にこの素晴らしい商品を世に問う会社にも強い興味を抱きました。

Duni Combi Cup

当時、Duni 社の国内総代理店は株式会社トーモクさんの海外商事部でした。ディスポーザブル・テーブルマットのデュニセルクロスを始め、高級ディナーナプキンや、優れたデザインのプライナプキン、カップやキャンドルなどのパーティーグッズが主に輸入されていました。海外商事部の O本部長や H課長に Duni Combi Cup を是非売りたい、専任で売らせて欲しいとお願いしました。現品サンプルの到着後、実際に手にした Duni Combi Cup は想像を超える商品でした。
スタイルはどの角度から見ても美しく、手にした時のバランスや飲みやすさ、カップホルダーとインサートカップの勘合、カップホルダーのスタック性など、全てに機能的な商品だったのです。加えて3色揃ったカップホルダーのカラーも秀逸でした。濃い青に深い紅、若干沈んだパープルの3色(当時)が揃いました。

Duni Combi Cup はオフィスコーヒー向けの商品です。当時のオフィスコーヒー需要は右肩上がりで、専門業者が大手から中小まで全国に存在していました。加えて地場のコーヒー会社や自家焙煎店も狭いエリアですが参入を始めています。私はそこに可能性を見出していました。
コーヒーと一緒にミルクやシュガーを始め、カップやマドラースプーンをお届けするビジネススタイルにあって、コー ヒーマシーンとカップホルダーは無償貸与品です。既にカップホルダーを大量に配っている業者には、互換性のないカップホルダーを新たに扱うハードルは極めて高い。逆に後発のビジネス展開を狙う業者には、カップホルダーやインサートカップが差別化商品になると考えたのです。マーケッティングのポイントはここに集中しました。

地場で活動する全国のコーヒー会社や自家焙煎店にダイレクトメールを送り、後日電話して感想を集めました。ご興味いただいた会社や店舗に直接サンプルを持参して説明する、という訪問活動を繰り返したのです。最初のリストアップは電話帳からでした。東京駅八重洲地下街のNTT支局に何度も通い、全国の職業別電話帳を閲覧してメモしました。

訪問する先々で「遠くからよく来てくれたね」、「うちは無理だけどあちらに行ってみたら、電話しておくから」という言葉に励まされたこともたくさんありました。コーヒーと真摯に向き合い、お客様にお伝えしようと頑張る方々にもたくさん出会いました。同じ自家焙煎店として身近に競合がある中で、知識を広げ、技術を磨くために一緒に学ぶ人々がいました。点から線に変わりつつある自家焙煎店の努力に触れられたことはとても嬉しかったし、何より無知な訪問者に、熱意をもってコーヒーを語る方々に励まされました。

Duni Combi Cup を広く売るための簡単な方法は、商品の認知度を上げることです。しかしインターネットの揺籃期にあって、その方策は限られていました。業務用の目立たない市場ではなく、コンシューマー(家庭用)市場でデビューするためには、そこに販路を持つ会社とのタイアップが手っ取り早い。そこでタッグを取り組んだのがアートナップさんでした。森昌美社長は即座に Duni Combi Cup に共感くださり、その場で取り扱いが決まりました。こうしてコンシューマー向けの商品が誕生したのです。

アートナップ社のご尽力で東急ハンズさんでの販売が始まると、一部のブログで紹介されたり、テレビドラマの小道具として採用されたりという事例が続きました。その後は地方のコーヒー会社訪問時にも「ドラマで見ましたよ」、といった嬉しい声が聞かれるようになりました。
個々の取扱量は少ないものの、採用社数が徐々に増えてきたのです。

こうした販売活動で全国のコーヒー会社や自家焙煎店を訪問する中で、多くの方々と知り合うことができました。勉強会に参加させ ていただいたり、日本コーヒー文化学会にお誘いいただいたりと、徐々にネットワークが広がりました。
特にカリタさんと京都飲料さ んの後援になる「西日本ビーンズ研究会」には何度も参加させていただきました。その中に鹿児島・ヴォアラ珈琲の井ノ上達也さんや、京都・カフェタイムの糸井優子さんがおられたのです。こうした目に見えないカリタさんの功績に、深く感謝いたします。

振り返ってみると北海道から沖縄県まで、訪問したコーヒー会社や自家焙煎店は 400 社を越えていました。

これが私のコーヒービジネスの出発点であり、カフェグッズの原点です。

次回は SOLO カップについてお話ししたいと考えています。

2020 年 10 月
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