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社長コラム
Vol.13
カップスリーブの開発(前編)
   カフェグッズには材料で分けると2種類のスリーブがあります。段ボール製のハードスリーブと、パルプ原紙のソフトスリーブです。段ボールを使ったスリーブは、スターバックスやタリーズなどの大手コーヒーチェーンでお馴染みのものですが、カフェグッズのハードスリーブはそれらと形態が異なります。ハードスリーブは私が前職在職中に創ったものですが、一晩で書き上げた形状が今も変わらずに使われています。ちなみに当時の製品名はマルチスリーブでそれこそ様々なカップサイズに使えるスリーブという意味で命名しました。カフェグッズとしてスタートした時に、もちろん自分で描いた段ボール製のスリーブを商品化しました。

   その名称はハードスリーブとしたのですが、例え段ボールとは言え、紙ですからハードはないだろうとも考えました。しかしその時の私はもう一つの材質のスリーブの開発を進めていました。そちらと対比するためにハードスリーブの名前で落ち着いたのです。それは後述します。

   ではハードスリーブにはどんな狙いがあったのでしょうか。実はスリーブという商品が誕生した契機は、米国の消費者団体の活動の成果らしいのです。コーヒーショップで使われていた厚紙の紙コップも、ドリップコーヒーやアメリカーノが入るととても熱くて手で持てません。それではと手近にあるナプキンを重ねて持とうとしても滑ってしまい、この策は頗る危険です。当時の一般的な対策はダブルカップ、そう紙コップを重ねて持ったのです。お洒落だしスマートだし機能的だし、と瞬く間にコーヒーショップに広がりました。
   ここがポイントです。ダブルカップですからカップを2つ重ねて使用します。それは紙コップ1つを無駄に捨てていることになります。ここが資源の浪費と厳しく糾弾されました。対応を間違うと不買運動も起こりかねない消費大国アメリカです。

   その答えが段ボール製のカップスリーブの採用でした。コーヒーショップのオペレーションに対応する貼り合せのスリーブがこうして誕生しました。事実かどうか定かではありませんが、当時このスリーブは紙コップよりもコストが高かったとのこと。しかもダブルカップに比べて資材は増えるし、オペレーションは煩雑だし、店からは嫌われ者だったようです。
   しかしスリーブ専門のメーカーが登場し、製品開発を進め、市場拡大を受けてコストも下がりました。現在のスリーブは様々な商品が市場に存在するのですが、貼り合せタイプが中心です。実はこっそりと感心しているのですが、一部の商品は内側のとある一点にゲル状のグルー(糊)が吹き付けられています。張り位置から流れ出たものではなく、意識的に付けているのです。スリーブが張り付かない程度の粘着力ですが、カップを填めるとスリーブが落ち難いのです。

   先ほど資材が増えると書きましたがスリーブは1サイズでなく、2サイズが必要です。カップサイズのバリエーションに対応するには、S(8オンス)で1つ、M~L(12~20オンス)以上で1つが最低でも必要です。それも理由の1つなのか、インデペンデント系のコーヒーショップではショートサイズ(8オンス)がメニューにないこともありました。もし12オンス以上のサイズでカップを統一すると、全てのサイズで口径が一緒になり、リッド(蓋)も1種類で済みます。こうなるととても効率的なオペレーションが約束されます。

   ところで話をハードスリーブに戻しますと、SOLOカップを販売しながらアメリカとの大きな違いに気付かされました。それは単純にサイズの違いです。日本では圧倒的にホットドリンクは8オンスサイスです。12オンスは動きがあるものの、16オンスに至ってはほとんど動かない。ということは貼り合せのスリーブですと2種類が必要です。しかし大きいサイズはほとんど動かないのでスリーブが無くても良い、という判断も成り立ちます。12オンスでラテが出ますが、これは持てないほどに熱くはありません。しかしながらメニューにある以上、注文があれば対応しなければならないというジレンマがあります。そういう声を受けながらポイントを絞って開発を進めました。

① カップサイズを問わずに兼用できること
② どのカップにも不細工にならないような形状であること
③ 断熱性は貼り合せタイプと同等であること
④ オペレーションをできるだけ阻害しないようにすること
⑤ 新しいスリーブとして市場に認知されること

といったポイントでしたが具体的な形は一晩で描き上げました。もちろんずっと頭に中で考えてきたのですが。私が描いた形は下記のような形状です。差し込みの先端と受け型の中央は同一の円周上にあります。
・基本的な形状は紙コップに巻くので逆円錐型になります。
・カップサイズを2種類に分け、短い(S)と長い(M&L)で円周を合わせました。
・差し込みは視覚的に直ぐそれと解る形状と、差し込み易さを追求しました。
・受け口も差し込み易さを助けるために、円形状の切り込みを入れました。
・サイズは長さ282㎜、高さ55㎜として、原紙から最も取り都合の良い寸法にしました。
・重要な点ですが、カップサイズによって勘合に微妙なズレが生じます。それを自在に受けるために、差し込み型の首の形状に遊びを設けました。

こうしてハードスリーブが完成しました。
ハードスリーブの現在

カフェグッズのハードスリーブには様々なバリエーションがあります。基本は茶色ライナーの片段ボール原紙でフレキソの3色印刷迄可能です。茶色ライナーにベタ印刷もできます。また白ライナーを選ぶこともできます。こちらの方がベタ印刷は綺麗に上がりますので、最近ニーズが多いようです。また本年2012年春からは貼り合せスリーブも商品化しました。こちらも茶色ライナーと白ライナーが選べますし、サイスバリエーションに対応するためにSサイズとM&Lサイズを準備しました。価格は台数計算となりますが、最少ロットは3,000枚でお受けしています。
2012/11/18
カフェグッズ代表
小林 文夫
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