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社長コラム
Vol.13
Vol.13 進化するハードスリーブ
   カフェグッズでは段ボール製のカップスリーブをハードスリーブと名付けています。前にも書いたのですが、特抄パルプ紙のソフトスリーブと対比して命名しました。一部の機能は異なりますが、主たる機能は断熱性の付与ということで同じです。ソフトスリーブの結露対策は段ボールでは難しいものの、ハードスリーブは今まで弱かった印刷面で、最近大きな進化を遂げているのです。ソフトスリーブのオフセット印刷は美しくてリーズナブルという強さがあります。ハードスリーブは段ボールだから美しい印刷は望めないという常識を、カフェグッズは少しづつ改善してきました。それでも当然限界がありますが、今その限界にチャレンジしています。それを説明するにはまず、段ボールの話から始めなければなりません。
ハードスリーブは片面段ボール(片段)を使った製品です。片段とは波型の中芯の片面にライナーを貼合したものですが、段ボール箱は両面にライナーを貼合しています。片段は貼りもできず強度も保てないので箱としては使用できませんが、カップスリーブのように巻いて使うという用途には、とても巻きやすいので最適です。段ボールの種類にもいろいろありますが、フルートという波型によって概ね以下のように分かれ、それぞれ30㎝当たりの山の数で規格が決まっています。
Aフルート(A段) フルートの数 34 波型の高さ 3.6~4.0㎜
Bフルート(B段) フルートの数 50 波型の高さ 2.5~3.0㎜
Eフルート(E段) フルートの数 95 波型の高さ 1.2㎜
Fフルート(F段) フルートの数 120 波型の高さ 0.6㎜
Gフルート(G段) フルートの数 177 波型の高さ 0.5㎜
フルートの数が多いほどライナーと中芯が密に接着され、波型の高さが小さいほど厚みが 薄くなっています。
ちなみにF段とG段をマイクロフルートと呼びますが、これらは表面 平滑性に優れており、印刷適性が大きく向上しました。
カフェグッズのハードスリーブはE段を使った製品で、強さと断熱性を兼ね備えています。ハードスリーブはライナーにホワイトと茶色がありますが、どちらもベタ印刷が可能です。実際に最近ではベタ印刷のカラースリーブがとても多く、段ボールとは思えないほどに華やかな仕上がりです。開発後15年ほど経ちますが、当初のハードスリーブは茶色のライナーに1色の印刷ばかりでした。それがベタ印刷や多色刷りに対応してきたことも進化と言えるのですが、今進んでいる更なる進化を以下にご紹介しましょう。
印刷面ですが、一般的なフレキソ製版に加えて、細かな印刷再現が可能なレーザー製版を導入しました。印版をレーザー光線で焼いて彫るもので、鮮明な印刷が可能になり、諧調(ドット表現によるグラデ-ションモード)も再現できます。既に印刷事例もありますが、結果を見ると文字や図柄が鮮明で、エッジもシャープに再現されているのが判ります。難点は製版代が倍近くなることですが、印刷結果に反映できるその効果は絶大で、今後その数は増えるものと思われます。
またE段よりも印刷再現性に優れたマイクロフルートを使うことも効果的です。一般的なライナーを使用した片段では印刷の限界が見えているのは確かです。紙面に凹凸があり、しかも表面が柔らかいのですから、印刷現場での苦労も想像できます。現状のE段からマイクロライナーに変えることで、更に印刷の付加価値を高められるでしょう。ポイントはスリーブ本来の目的である断熱性に問題が有るか無いかという1点になります。そうした進化の可能性を含めて、ハードスリーブはますます完成度を高めているのです。
 

カップの表面温度を測る
そこで今回、ハードスリーブを使った時の、カップ表面の温度変化を検証してみました。印刷適性に優れたマイクロフルートが、断熱性の点で使用に耐えられるかを調べた実験です。その結果は以下の通りです。計測機器が簡易の放射温度計であることを差し引いても、その関係性は明確で、判断の分かれ目が見えてきました。

 

*1:
厚紙カップとクラフトカップでは、表面温度に違いがあります。これは単層の厚紙カップに対して、2種積層原紙のクラフトカップは一定の断熱性能を有していると考えられます。
*2:
ハードスリーブにも段ボールの種類によって差があります。断熱性能は中芯の山の高さとその密度に
よって差があるほか、表面の平滑度によっても違ってきます。
*3:
E段は中芯の山の高さが1.2㎜・フルート95なのでライナーの下に充分に空気を取り込んでいます。 そのために断熱性が最も高いという結果でした。
*4:
F段は山の高さがE段の半分、フルートの数は1.26倍ですが、持って耐えられる温度でした。
*5:
G段は山の高さがE段の半分以下、フルートの数は1.86倍ととても薄いので平滑度も高く、持って 耐えられますがかなり熱いという結果でした。これは平滑度が高いことが影響していると考えられます。

ハードスリーブのフルート
続いてハードスリーブの裏を見てみます
左からG段・F段・E段の順です。このうちのG段とF段がマイクロフルートと呼ばれています。
山の高については見難いでしょうが、フルートの間隔の違いは良く判ります。求める価値が断熱性だけなら現行のE段で充分です。しかし印刷の付加価値を高めるためには、マイクロフルートを 舞台にあげる必要があります。もちろんスリーブ本来の目的である、実用レベルの断熱性が欠かせません。そのことから カフェグッズはG段ではなく、F段の商品化を企画しています。E段で行ったレーザー製版をF段に応用することで、更なる美粧性を追求できるのです。


レーザー製版の印刷効果

  サンプルはリングスリーブの 1色印刷ですが、ドットパターンで表現したグラデーションモードが見事です。スリーブは現行のE段の白ライナーで、形状は貼り合せのリングスリーブです。ライナーと中芯の接着ラインが見えますが、線の上と線の間では印刷時の版圧に差があるのでこれは避けられません。しかしグラデーションモードの中についてはとても綺麗に再現されています。現在でも E段のハードスリーブで、ここまで精巧な印刷が可能になっています。今後マイクロフルートのF段を使うことで、更に精緻な印刷ができることは疑いありません。
現在でも E段のハードスリーブで、ここまで精巧な印刷が可能になっています。今後マイクロフルートのF段を使うことで、更に精緻な印刷ができることは疑いありません。

 
もう1点の印刷事例をご覧ください。

 

上下の縁に細かなドットの格子が並んでいます。これもフレキソ印刷では表現できませんでした。デザインはお客様の最大の拘りごと。 お届けした製品に満足していただくために、カフェグッズも工場も、そして印刷のオペレーター達も常に真剣に取り組んでいるのです。

 
スタート時の茶色ライナーに1色刷という機能一辺倒の製品から、ハードスリーブの印刷はここまで進化してきました。これからマイクロフルートの時代を迎え、華やかな製品を提供させていただくことで、多くのカフェやコーヒーショップを通じて、街や人々を彩り続けたいと願っております。

2013/11/1
カフェグッズ代表
小林 文夫

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