TOP > カフェレポートTOP > Vol.20 Ogawa Coffee The Cafe 河原町三条店
社長コラム

「Ogawa Coffee The Cafe 河原町三条店」
〒604-8036 京都市中京区三条通寺町東入石橋町14-1
http://www.oc-ogawa.co.jp/

  幾人ものトップバリスタを擁する小川珈琲(株)が、2011年11月12日にThe Cafe河原町三条店をオープンした。場所は河原町三条名店会のアーケード通りの中である。入口から左手にレンガ造りの壁と1枚杢のロングカウンター、右手には4テーブルのボックスシートが設けられ、1階の客席は10席。ボックスシートの手前は2階に上がる階段で、23席のイートインカフェとなっている。その中にはパソコンやipadに対応した席が複数設けられているとのことだが、1階のロングカウンター前にもコンセントが並んでいる。

  このカフェには専属のバリスタが在籍しており、その日のバリスタ名は店頭パネルに表示してある。トップバリスタが作るコーヒーを飲める機会はそうないが、The Cafeはここに出向けばいつでも名の知れたバリスタのコーヒーがいただけるのである。

  そうした運営面とは別に、この定冠詞を纏ったThe Cafeの狙いとはなんだろうか。店内の内装にそのヒントがありそうだ。まず1階のレンガ壁である。10月に訪問したロンドンのカフェの多くがレンガ造りだった。古いビルの壁面を剥き出しに使うカフェに共通の特長は、拘りのEspresso とオーストラリア・ニュージーランド志向と言えようか。Flat Whiteがスターバックスでもメニューに載るロンドンだが、そうしたカフェをコーヒーで支えているのが、2007WBCチャンプ James Hoffmann の SQUARE MAIL ROASTERSである。歴史は異なる両社だが、珈琲豆の委託焙煎やバリスタの育成などによるカフェのサポートという点で重なるのだ。実はニューヨークなどでも古いビルなどはレンガ造りが多い。そこを上手に切り取ってカフェの雰囲気を造っている例も多く、それはOgawa Coffee The Cafe に通じるものがある。
 
  カフェの奧にトップバリスタが活躍する舞台がある。そう広くはない厨房だが、キビキビとした立ち居振る舞いが気持ち良い。エスプレッソマシーンはダラコルテdc proの2groups、隣に3台のグラインダーが並ぶ。当日のバリスタは大澤直子(JLAC2011優勝)・吉川寿子(JLAC2009第3位、2010第7位)の2名。共にJBCやJLACで活躍中の日本を代表するトップバリスタである。バリスタが作るメニューのベースはESPRESSO(STRONG)とCOFFEE(SOFT)からなり、コーヒーの抽出はエアロプレス\400を採用。エスプレッソ\300(SHORT)からアメリカーノ\400(LONG)となり、カフェマキアート\300(HARD)からはカプチーノ\480(CREAMY)、カフェラテ\450(SOFT)と続く。その下にキャラメルラテとカフェモカ共に\500(SWEET)がある。こうしたメニューツリーは判りやすさを第一に考案されたのだろう。そのキーワードは Please ask barista anything.(どうぞ何でもバリスタにお尋ね下さい)という言葉に集約される。
  その昔小川珈琲(株)との付き合いが始まったのは1990年代半ば、スウェーデンD社のカップを紹介に行った頃だった。若い担当課長のY氏と、大らかにサポートするM役員の姿勢に、地方の中堅ロースターの苦汁は全く感じられなかった。その後他の部門の方々ともいろいろな商談を重ねたが、明るく誠実な姿勢は不変だった。それが社風というものという理解は、再びご縁を頂いた今、改めて感慨を深めることになった。The Cafeは「バリスタのカフェ」というキーワードがあるものの、その社風のままにお客様を日々お迎えしている。そしてスペシャルティコーヒーのカフェとして、コーヒーに注目する多くのカフェの水先案内人として、ここに存在している。
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